お気に入りのベッドをボロボロにしてしまう柴犬を見て、がっかりしたり、イライラしてしまったりしませんか?
「叱ってもやめてくれない」「買い替えてもすぐ噛んでしまう…」そんなお悩みは、実は“性格の悪さ”ではなく、本能・年齢・環境・ストレスなどが重なって起きている行動であることがほとんどです。
このページでは、
- 柴犬がベッドを噛む主な理由7つ
- 噛みつきを減らすための具体的なステップと環境づくり
- やりがちなNG対応とその代わりにやるべきこと
- 子犬・成犬・シニア・留守番が多いご家庭など、ケース別の工夫
を、今日から実践できるレベルまで具体的にまとめました。
叱るだけのしつけから一歩進んで、「柴犬も飼い主もラクになる仕組みづくり」を一緒に考えていきましょう。
まず全体像をつかむ:噛みつき行動は“悪”ではない
柴犬はもともと狩猟本能が強く、口を使って確かめたり、ストレスを発散したりする犬種です。ベッドを噛むのは、その本能やストレスの出口が「たまたまベッドになっている」だけの場合が多くあります。
ですから、
- 「悪い子だから噛む」わけではない
- 叱るだけでは、行動の根っこ(原因)が変わらない
と考えるのがスタートラインです。
噛みつき対策は、次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。
- ① 噛んでしまう状況を減らす(環境を変える)
- ② 噛んでよい対象を十分に用意する(おもちゃ・知育トイなど)
- ③ 「ベッドを噛まないほうが得だ」と学んでもらう(ほめ方・ごほうび)
この3本柱を意識しながら、次の章で「なぜ噛むのか」を整理していきましょう。
柴犬がベッドを噛む主な理由7つとチェックポイント
まずは、愛犬がどのタイプに近いのかをイメージできるようにしておくと、後の対策がグッと決めやすくなります。
理由1:子犬期の歯のムズムズ・生え変わり
歯の生え変わり時期の柴犬は、「とにかく何か噛んでいたい」状態になりがちです。
- 床に乳歯が落ちていることがある
- 家具やコードなど、他のものもよく噛んでいる
- 噛み始めるタイミングが、一日中バラバラ
このパターンなら、「噛んでよいおもちゃを増やし、ベッドを守る」方向性が中心になります。
理由2:退屈・ヒマつぶし
- 留守番中や、家族が相手をしていない時間帯に噛み始める
- 散歩や遊びが少ない日ほど噛み方が激しい
この場合、ベッドは「ヒマつぶしのおもちゃ」のような存在になっているかもしれません。
理由3:運動不足・エネルギーの行き場がない
- 散歩の距離が短い・匂い嗅ぎの時間が少ない
- 家の中での引っ張りっこ・知育トイ遊びがほとんどない
- 散歩を増やした日は、ベッド噛みが少ない気がする
活動的な柴犬は、体と頭を両方使う時間が足りないと、破壊行動に向かいやすくなります。
理由4:不安・ストレスのはけ口
- 引っ越し・模様替え・家族構成の変化があった
- 雷・花火・工事の音など、怖い音が多い環境
- 飼い主の外出前後に噛み方が激しくなる(分離不安気味)
自分のニオイがたっぷり付いたベッドは、柴犬にとって安心基地です。不安なときにベッドを噛むことで、気持ちを落ち着かせようとしている可能性があります。
理由5:かまってほしい・リアクション待ち
- 噛んでいるときに近づくと、こちらをチラチラ見てくる
- 「ダメ!」と叱ると逆にテンションが上がる
- 噛んでいないときは、あまり構われていない時間が長い
ベッドを噛むと「飼い主が必ず構ってくれるイベント」になってしまっているパターンです。
理由6:ベッドそのものが噛みたくなる仕様
- ファスナー・タグ・角など、噛みやすいパーツが多い
- 中綿が出やすく、ボロボロになりやすい素材
- サイズが小さく、窮屈で落ち着きにくそう
ベッドの形状や素材が、柴犬の「噛みたい欲求」を刺激してしまっている可能性もあります。
理由7:習慣化してしまった(クセになっている)
- 以前から何度も同じように噛んでいる
- 叱っても一時的にしか止まらず、すぐ再開する
- 他のストレスサイン(吠え・粗相など)も出てきている
この段階まで来ると、「行動そのものがクセ」になっていることも。時間をかけてパターンを変えていくイメージが必要です。
どの理由が一番近いか、2〜3個に絞ってメモしておくと、次のステップでの対策が決めやすくなります。
スタート前の準備:環境とグッズを整えよう
いきなり「やめさせる」ことだけに意識が向きがちですが、事前の準備をしておくと成功率が一気に上がります。
| 準備するもの | 目的 | 選ぶポイント |
|---|---|---|
| 噛んでよいおもちゃ(数種類) | 噛みたい欲求の受け皿 | 壊れにくく、口より大きめ・柴犬の噛む力に合う硬さ |
| 知育トイ・コング系おもちゃ | 頭を使わせて疲れさせる | フード・おやつを詰められて、洗いやすい素材 |
| 替え用のベッド | 破損時の安全確保と洗い替え | カバー交換・洗濯しやすい/破片が出にくい構造 |
| クレート・サークル | 留守番中の環境管理 | 立って回れる程度の広さ/静かで落ち着ける場所に設置 |
| ごほうび用おやつ・フード | 良い行動を強化する | 小さくちぎれる・低カロリー・アレルギーに配慮 |
| 苦味スプレーなど(必要に応じて) | 噛ませたくない場所の抑止 | 犬用で安全性が確認されたものを、目立たない部分でテスト |
事前チェックリスト
- □ 「噛んでよいもの」と「噛んでほしくないもの」を家族で共有した
- □ ベッドはできるだけ破片が出にくく、誤飲リスクが低いものを選んだ
- □ おもちゃは2〜3種類をローテーションして飽きにくくする予定
- □ 留守番時間・散歩時間の目安をざっくり決めておいた
ここまで準備が整ったら、いよいよ具体的なステップに進みます。
実践ステップ:ベッド噛みを減らす4ステップ
行動を変えるときの基本は、
- 原因を観察する
- 環境を整える
- 正しい行動をほめる
- 家族全員で一貫して続ける
の4つです。それぞれ、もう一歩踏み込んで具体的に見ていきましょう。
ステップ1:1週間「ベッド噛み日記」をつける
最初の1週間は、「とにかく観察」に集中します。スマホのメモでOKなので、次の項目を簡単に記録してみてください。
- 噛み始めた時間帯(例:21時ごろ)
- その直前に何をしていたか(例:家族がテレビを見始めた/散歩が短かった)
- 噛み方の様子(軽く噛む/激しく振り回す など)
- 噛んだあと、どんな様子だったか(落ち着いた/もっと興奮した など)
1週間分を眺めてみると、「このパターンのときに噛みやすい」という傾向が見えやすくなります。
ステップ2:噛ませたくない状況を減らす(環境調整)
観察で見えてきた原因に合わせて、環境面から対策していきます。
- 留守番が長い → 留守番前に散歩・引っ張りっこでしっかり発散
- 夜に暴走しがち → 夜の散歩や知育トイで「頭と体」を使わせる
- 家族が構えない時間帯が多い → その時間帯だけ知育トイやおやつ入りおもちゃを使う
また、
- ベッドの近くに「噛んでよいおもちゃ」を常に置いておく
- どうしてもベッドばかり噛む場合は、一時的にベッドを片づける(クレート+マットなど)
といった工夫も有効です。
ステップ3:「ベッドよりおもちゃが得」と教える(トレーニング)
次に、「噛む対象を切り替える」練習をしていきます。
- 柴犬がベッドを噛み始めたら、大きな声は出さずに近づく
- 静かに「ダメ」「ちょうだい」など短い言葉で制止する
- すぐに「噛んでよいおもちゃ」を口元に差し出し、そっと誘導する
- おもちゃを噛み始めたら、すぐにほめてごほうびをあげる
ポイントは、
- ベッドを噛んだ瞬間に「大きなリアクション」を取らないこと
- おもちゃに切り替えた瞬間を、とにかく大げさにほめること
です。「ベッドを噛むとつまらない/おもちゃを噛むといいことがある」と感じてもらえるよう、何度も繰り返していきましょう。
ステップ4:家族全員でルールを“紙”にして共有する
せっかく良い流れをつくっても、家族ごとに対応がバラバラだと学習が進みにくくなります。
おすすめなのは、次のようなルールを紙に書いて冷蔵庫などに貼っておくことです。
- ベッドを噛んだら:大声を出さずに静かに制止 → おもちゃに誘導
- おもちゃを噛み始めたら:必ず「いい子!」と声をかけて、余裕があればごほうび
- どうしてもやめないとき:一時的にベッドを片づけて落ち着かせる
ルールが目に入る場所にあるだけで、家族全員が「いつも同じ対応」を思い出しやすくなります。
ケース別の工夫:子犬・成犬・シニア・留守番が長い家
子犬の場合(〜1歳くらい)
- 歯の生え変わり時期は、とくに噛めるおもちゃを多めに用意
- ベッドは誤飲リスクが少ないシンプルなものを選び、様子次第でこまめに交換
- 「噛んでよい/ダメ」のルールを、この時期から少しずつ教える
成犬の場合
- 運動不足・退屈が原因のことが多いので、散歩の質(匂い嗅ぎ・小走り)を見直す
- 知育トイで「頭の疲れ」を増やし、エネルギーの出口を増やす
- ストレスサイン(吠え・粗相・食欲の変化)も合わせてチェック
シニア犬の場合
- 関節痛・不安感が強くなると、ベッドを噛んで気を紛らわせることも
- ベッドのクッション性や寝心地を見直し、痛みや冷えを和らげる工夫を
- 行動の変化が急な場合は、早めに動物病院に相談
留守番が長い家の場合
- 留守番前に散歩+引っ張りっこ+簡単なしつけ遊びでエネルギーを発散
- 留守番中は、ベッドのそばに知育トイやおやつ入りおもちゃを用意
- どうしても心配な場合は、留守番中だけベッドを片づけるのも選択肢
よくあるNG行動とリカバリー方法
NG1:大声で叱る・罰を与えるだけ
その場では一瞬やめても、
- 不安や恐怖が強くなる
- 別の問題行動(吠え・粗相など)に形を変える
などのリスクがあります。
▶代わりにやること
- 落ち着いた声で短い言葉(「ダメ」など)を使う
- すぐに「噛んでよいおもちゃ」に誘導し、そちらを噛んだらしっかりほめる
NG2:運動不足・刺激不足のまま、ベッドだけを変える
丈夫なベッドに買い換えるだけでは、余ったエネルギーやストレスの行き場が変わらないため、問題は続きやすいです。
▶代わりにやること
- 散歩時間だけでなく、「匂いを嗅ぐ」「軽く走る」など中身を工夫する
- 家の中での引っ張りっこや知育トイ遊びを取り入れる
NG3:家族で対応がバラバラ
ある人は叱る、ある人は笑って写真を撮る、別の人はおやつをあげる…という状態だと、柴犬は「どうすればいいのか」分からなくなってしまいます。
▶代わりにやること
- 家族会議で「噛んだとき/噛まなかったときの対応」を紙に書き出す
- 冷蔵庫など家族全員が見る場所に貼り、同じ対応を続ける
NG4:危険な誤飲を軽く考える
ベッドの中綿やスポンジ、ファスナーなどを飲み込むと、消化管に詰まる危険があります。
▶こんな様子があれば、早めに動物病院へ
- 繰り返す嘔吐
- 食欲不振・水もあまり飲まない
- いつもと違ってぐったりしている
こんなときは要注意!病院・専門家に相談する目安
次のような場合は、自己判断で様子を見るよりも、早めの相談が安心です。
- ベッド以外にも、石・木片・プラスチックなどを飲み込みやすい
- 噛みつきが攻撃的で、人や他の犬にも向かうことがある
- 食欲や元気がはっきりと落ちている
- 下痢・嘔吐・震えなど、体調不良のサインが続く
相談先としては、
- かかりつけの動物病院
- 犬の行動に詳しいドッグトレーナー
などがあります。診療内容や費用は施設によって異なるため、受診前に電話や公式情報で確認しておくと安心です。
1日のモデルスケジュール例
最後に、ベッド噛み対策を「1日の流れ」に落とし込んだ例を紹介します。
- 朝:散歩(匂い嗅ぎたっぷり)→ 帰宅後、知育トイで朝ごはん
- 日中:留守番前に引っ張りっこ遊び → ベッドはクレート内に設置
- 夕方:軽い散歩+おうち遊び(持ってこい・しつけ遊び)
- 夜:家族がくつろぐ時間に、ベッドで落ち着く練習 → 噛まずに落ち着けたらごほうび
このように、「ベッドで静かに過ごす時間」と「思い切り遊ぶ時間」をはっきり分けることで、ベッド=休む場所というイメージが作りやすくなります。
まとめ:叱るより「仕組み」でラクに続ける
柴犬がベッドを噛んでしまう行動は、
- 本能(噛みたい・確かめたい)
- 年齢(子犬期の歯の生え変わりなど)
- 環境(退屈・運動不足・留守番の長さ)
- ストレス(不安・環境変化)
といった要素が重なって起きることが多く、「性格が悪いから」ではありません。
対策のポイントは、
- 原因パターンを1週間観察してつかむ
- 噛ませたくない状況を減らし、噛んでよいおもちゃを充実させる
- ベッドからおもちゃへ切り替えた瞬間を徹底的にほめる
- 家族全員でルールを共有し、一貫した対応を続ける
ことです。
行動は一晩で劇的に変わるものではありませんが、毎日の小さな成功を積み重ねることで、少しずつ「噛まない時間」が増えていきます。
焦らず、柴犬のペースに寄り添いながら、一緒に心地よいベッド時間を育てていきましょう。
FAQ:柴犬のベッド噛みつきでよくある質問
Q1.子犬のうちはベッドを噛んでも仕方ないですか?
A.歯の生え変わり時期は噛みたい欲求が強くなりますが、「噛んでよいもの」と「噛んではいけないもの」を分けて教えること自体は、この時期から始めてOKです。早めにルールを伝えておくことで、成犬になってからの噛み癖予防につながります。
Q2.苦味スプレーを使えばすぐ治りますか?
A.一時的な抑止になることはありますが、退屈・運動不足・ストレスなどの根本原因が残ったままだと、別の物を噛み始めるだけ…というケースもあります。あくまで補助的な道具として使い、運動・遊び・おもちゃの見直しとセットで取り入れるのがおすすめです。
Q3.ベッドを噛んで破ったときは、すぐ捨てたほうがいいですか?
A.中綿や破片の誤飲が心配な場合は、まず安全確保のために片づけるのが優先です。落ち着いてから、修理・買い替えを検討しましょう。新しいベッドを導入する際は、同時に「噛んでよいおもちゃ」を増やしておくと失敗が減りやすくなります。
Q4.どのくらいでベッド噛みは落ち着きますか?
A.個体差が大きく、数週間で改善する場合もあれば、数カ月以上かけて少しずつ変わることもあります。年齢や性格、環境によっても異なるため、「早く直さなきゃ」と焦るより、今日できた小さな成功(おもちゃに切り替えられた、噛む時間が5分減ったなど)をほめてあげる視点が大切です。
Q5.専門家に相談するタイミングは?
A.
- 誤飲を繰り返す
- 攻撃的な噛みつきも増えてきた
- ストレスサイン(下痢・食欲不振・無気力など)が見られる
といった場合は、早めに動物病院やトレーナーに相談するのがおすすめです。料金や対応内容は施設によって異なるため、事前に公式情報や電話で確認しておくと安心です。
ベッド噛みは「完全にゼロにする」ことをゴールにするより、危険が少なく、お互いにストレスが少ない形にコントロールしていくイメージのほうが、柴犬にとっても飼い主さんにとってもラクに続けられます。少しずつ、一緒に前に進んでいきましょう。



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