「寒い季節になると落ち着きがなくなる」「家の中で足上げが増えた」「トイレは覚えているはずなのに失敗が続く」——柴犬の冬の困りごとは、寒さストレスとマーキング(縄張り・不安・習慣)が絡み合って起きることが多いです。
このページでは、柴犬の性格(繊細・警戒心・ルーティン重視)を前提に、「環境」「健康」「行動(しつけ)」の3軸で原因を切り分け、数週間〜数か月で改善の平均点を上げていくための具体策を深掘りします。完璧を目指すより、今日から「失敗しにくい条件」を積み上げるのが最短です。
まず全体像をつかむ(最短で改善する考え方)

柴犬の寒さ対策とマーキング改善は、「環境づくり」「健康チェック」「しつけ・習慣づけ」の3本柱で整理すると迷いません。特に重要なのは、いきなり“しつけ”だけで解決しようとしないことです。寒さによるストレスや体の不調があると、学習効率が落ち、トイレの成功率も下がります。
柴犬は「寒さに強い犬種」と言われますが、現代の室内飼育では、外飼い時代と条件が別物です。たとえば、
- 室内と廊下・玄関の温度差
- エアコンの直風や乾燥
- フローリングやタイルの底冷え
- 散歩の短縮による運動不足・ストレス蓄積
こうした「見えない負担」が積み重なると、落ち着きのなさ、吠え、トイレの乱れ、マーキング増加につながることがあります。特に子犬・シニア犬・痩せ気味・持病(関節/皮膚/心臓など)がある柴犬は、冷えの影響を受けやすいと考えておきましょう。
一方で、マーキングは本能行動でもあり、ゼロにするより「減らす・管理する」が現実的です。目指すゴールは次の2つです。
- マーキング(足上げ・少量の尿かけ)の頻度を減らす
- 排泄はトイレ(許可場所)に集約できるよう誘導する
まずは1週間だけでいいので、次の2点を意識して観察してください。
- 寒さでストレスが増えていないか(震え/丸まり/動きたがらない/逆にソワソワ)
- マーキングと通常排泄の区別(量・回数・場所・姿勢)
この「切り分け」ができると、対策の優先順位が一気に明確になります。
準備しておきたいこと(改善が早い家が必ずやっている準備)

改善スピードを上げるコツは、対策を始める前に「環境アイテム」と「観察・記録の仕組み」を用意することです。マーキングは“気合い”で止まるものではないので、仕組みで勝つのが正解です。
寒さ対策の準備(温度より「冷えポイント」を潰す)
重要なのは、室温を上げること自体よりも、柴犬が「冷える場所」を減らすことです。特に冬の室内で冷えやすいのは、
- 床(フローリング、玄関、窓際)
- 風(エアコン直風、ドアの隙間)
- 寝床の下(ケージ・サークルの底面)
柴犬が自分で快適ゾーンを選べるよう、「暖かめゾーン」と「やや涼しいゾーン」を作って行き来できるレイアウトにします。
電気毛布やホットカーペットを使う場合は、低温やけど対策として、
- 直接肌が触れないようブランケットを挟む
- 「常時ON」ではなく時間/温度を制御する
- 逃げ場(涼しい場所)を必ず残す
を徹底しましょう。
マーキング対策の準備(叱る前に「失敗できない構造」を作る)
マーキング対策は、叱り方よりも先にトイレ環境の勝率を上げることが最重要です。チェックポイントは次の通りです。
- サイズ:柴犬が方向転換できる余裕があるか
- 段差:入りづらい高さになっていないか(特にシニア)
- 足裏:滑らない素材か(滑ると嫌がる)
- 場所:人の動線・音・風の影響が少ないか
- 匂い:洗剤や芳香剤が強すぎないか(犬は嗅覚が鋭い)
さらに、改善が早い家庭ほど記録をしています。難しく考えず、次の3点だけメモでOKです。
- いつ:時間帯・散歩前後・来客の有無
- どこ:玄関/カーテン/家具の脚など
- どんな尿:少量か/まとまった量か(写真不要、言語化でOK)
| 準備カテゴリ | 具体例 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 寒さ対策 | ベッド、毛布、断熱マット、すのこ | 洗える・滑らない・噛んでも安全・床冷えを遮断 |
| 温度管理 | 温湿度計、暖房、加湿 | 直風回避・乾燥しすぎない・温度差を小さく |
| トイレ環境 | 大きめトレー、シーツ、防水シート、柵 | 入りやすい・滑らない・匂い戻りを作らない |
| 清掃/消臭 | ペット用消臭剤、中性洗剤、使い捨て手袋 | 匂い残りは再発の原因。拭く→乾かすまで |
| 記録 | スマホメモ、カレンダー、チェック表 | 「いつ/どこ/量」だけでパターンが見える |
- かかりつけ病院の連絡先をすぐ見られる場所に
- 家族で褒め方・声かけ・立ち回りを統一(これが一番効きます)
- 交換用シーツや洗えるカバーは多めに(失敗時の対応速度が勝率)
手順とコツ(改善ロードマップ:やる順番が9割)
柴犬の寒さ対策とマーキング改善は、次の順番がもっとも成果が出やすいです。
- 環境を整える(冷え・直風・トイレ勝率)
- 観察と記録(原因の切り分け)
- 習慣づけ(成功を増やす、失敗を起こせない構造へ)
環境を整える(寒さ・床冷え・トイレ配置)
最初にやるべきは、しつけではなく「失敗しにくい環境」づくりです。ポイントは3つ。
- 寝床:床から少し高さを出し、冷気を遮断。ケージ床は断熱マットやすのこで底冷え対策
- 直風:エアコンの風が当たる場所を避ける(当たるだけでストレスになる子もいます)
- トイレ:「寒い・うるさい・落ち着かない」場所から外す。必要なら2か所設置で成功率を上げる
室温の目安は家庭環境で差があります。数字に縛られず、柴犬のサインで調整してください。
- 寒いサイン:震える、丸まる、動きが鈍い、寝床から出たがらない
- 暑いサイン:ハァハァする、舌を出す、床にべったり、落ち着かない
観察・記録で原因を切り分ける(マーキング?トイレ失敗?病気?)
次に、「マーキング」なのか「通常排泄の失敗」なのかを見分けます。ここがブレると、対策がズレて遠回りになります。
マーキングっぽい特徴
- 少量を複数回
- 壁・家具・カーテンなど縦面を狙う
- 匂い嗅ぎが長い、足上げが高い
- 特定の場所(玄関、家具脚、角)に偏る
トイレ失敗っぽい特徴
- 量がまとまっている
- 我慢できずに漏れた感じ(歩きながらポタポタ等)
- 普段と違う場所で突然
そして重要なのが、健康要因の可能性です。次のサインがある場合は、しつけの前に病院相談を優先してください。
- 水を飲む量が急に増えた/減った
- トイレ回数が増えた、少量しか出ない、痛がる、鳴く
- 尿の色・匂いが明らかに変、血尿っぽい
- 夜間の失禁、寝ている間に漏れる
- 元気食欲の低下、嘔吐、発熱っぽい
記録は「完璧」を目指す必要はありません。3日続けるだけでも傾向は出ます。特に見える化しやすいのは、
- 来客・宅配・工事音などの刺激の有無
- 散歩が短い日に増えるか
- 留守番の前後に増えるか(分離不安の示唆)
です。原因が見えると、打ち手が絞れます。
しつけと習慣づけ(叱らない=甘やかしではない)
柴犬のマーキング改善は、「叱って止める」ではなく、「成功を増やして、失敗できない設計に寄せる」が王道です。なぜなら、犬は“怒られた原因”より“その場の恐怖”を学習しやすく、結果として、
- 飼い主の前では我慢する(隠れてする)
- 不安が増えてマーキングが増える
- トイレ自体がプレッシャーになる
という逆効果が起きるからです。
やることはシンプルです。
- トイレで成功したら「直後に」静かにしっかり褒める(遅れると学習しません)
- マーキングしそうな気配(匂い嗅ぎが長い、角に向かう)が出たら、叱らずにトイレへ誘導
- 失敗は淡々と片づけ、匂いを残さない(匂い残りは再発ボタン)
また、散歩中のマーキングは「完全禁止」にするとストレスが跳ね上がることがあります。現実的には、
- マーキングOKポイントを数か所に限定
- 引っ張りや興奮が強い日は回数を減らす
- 最後に排泄しやすい場所でまとめてさせる
のようにコントロールする方がうまくいきます。
よくある失敗の避け方(ここで詰まると長期化します)
つまずきやすいのは主に3つです。ここを避けるだけで改善が早まります。
- 叱り方のミス(恐怖学習で悪化)
- 環境を一気に変える(混乱で失敗増)
- 健康チェックを後回し(しつけで解決しないケースが混ざる)
叱り方のNG(時間が経ってから叱るのは逆効果)
犬は時間が経ってから叱られても、「何を怒られたか」を正確に結びつけられません。結果として残るのは、飼い主の機嫌が悪い=怖いという学習だけです。
特に次の叱り方は、信頼関係を壊しやすく逆効果になりがちです。
- 失敗した場所に鼻を押しつける
- 大声で怒鳴る、床を叩く
- 長時間説教する(犬には理解できません)
柴犬は繊細さと頑固さを併せ持つため、恐怖で押さえ込むと「隠れてやる」方向に進むことがあります。
環境を変えすぎない(1〜2か所ずつが正解)
寒さが心配で、服・寝床・暖房・トイレ位置を同時に変えると、柴犬が混乱して失敗が増えることがあります。変えるなら、
- まず寝床の底冷え → 次に直風 → 次にトイレ位置
- トイレは場所を変えるなら段階的(数日かけて少しずつ)
- 「良い変化」が出たら、すぐ次に触らず維持して学習させる
避けたいNG例
・失敗した場所に鼻を押しつけて叱る
・寒いからと散歩を極端に減らし、発散不足でストレスを溜める
・マーキング跡を水拭きだけで済ませ、匂いが残って再発する
散歩が減ると、エネルギーが発散できず、室内のマーキングやイタズラが増えることがあります。寒い日でも、
- 時間を短くして回数を増やす
- 日中の暖かい時間帯にずらす
- 知育トイ(フード探し)で室内発散を補う
など、無理のない形で「発散」を残してください。
そしてメンタル面も大事です。改善は一直線ではなく、波があります。「昨日できたのに今日は失敗した」は普通です。平均点が上がっていけばOKという視点で取り組むと、飼い主の負担が減り、結果として改善が早まります。
まとめ(やることは少ない、でも順番が重要)
柴犬の寒さ対策とマーキング改善は、次の3つを組み合わせて時間を味方にして進めるのが成功のコツです。
- 寒さストレスを増やさない環境づくり(床冷え・直風・寝床)
- 泌尿器や関節などの不調を見逃さない健康チェック(疑わしいなら先に相談)
- 叱らず成功を増やすしつけ・習慣づけ(誘導+即褒め+匂いを残さない)
「すぐ完璧」を狙うより、1〜2か月で平均点を上げるイメージが現実的で、柴犬にも飼い主にも優しいです。困ったときは一人で抱え込まず、動物病院やしつけの専門家に相談しながら、その子に合う落とし所を探していきましょう。
最終更新:2026-01-01
FAQ
柴犬は寒さに強いのに、寒さ対策は必要ですか?
必要なケースがあります。外飼い前提の「寒さに強い」と、室内の床冷え・温度差・直風・乾燥は別問題です。子犬・シニア・痩せ気味・持病がある場合は特に、冷えの影響を受けやすいので対策をおすすめします。
マーキングは去勢・避妊で必ず治りますか?
必ずではありませんが、ホルモン要因が強い場合は軽減することがあります。ただし、マーキングが不安・習慣・縄張りで固定化している場合は、手術だけでゼロになるとは限りません。環境と行動の対策をセットで考えると改善しやすいです。
叱らないと覚えない気がします。どうすればいい?
犬は「失敗を叱られる」より「成功すると良いことがある」を学習しやすいです。叱ると不安が増え、隠れてするようになるケースもあります。誘導+即褒め+匂いを残さないを徹底し、失敗できない環境に寄せるのが近道です。
家の中の同じ場所で繰り返します。最優先は何?
最優先は匂いの除去と物理的ブロックです。匂いが残っていると「ここがトイレ」と認識しやすくなります。掃除(拭く→乾かす)を徹底し、柵や配置換えで近づけない期間を作ると再発が止まりやすいです。
動物病院に行くべき目安は?
頻尿・血尿・痛がる・少量しか出ない・夜間の失禁・水を飲む量の急変・元気食欲の低下があれば、早めに相談してください。しつけだけで解決しない原因(泌尿器疾患など)が混ざると長期化します。



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