「柴犬におすすめのベッド」「獣医師監修」「公式イチ押し」――
ベッドを探していると、こんな言葉がたくさん目に入りますよね。
ただ、その「公式おすすめ」が、あなたの柴犬にそのままピッタリとは限りません。
同じ柴犬でも、体格・寝方・性格・年齢が違えば、快適に感じるベッドも大きく変わります。
この記事では、
- 公式おすすめ情報を「うまく利用する」考え方
- 柴犬のベッド選びで本当に大事なチェックポイント
- 失敗しやすいパターンと、その避け方・リカバリー方法
- 子犬・成犬・シニア犬などライフステージ別の考え方
- ベッドを嫌がる柴犬への慣らし方ステップ
まで、飼い主さん目線で具体的に深掘りして解説します。
「次こそベッド選びで失敗したくない…」という方は、ぜひ一度ゆっくり読み進めてみてください。
柴犬にとってベッドは「家具」ではなく「安心できる自分の場所」
柴犬は日本原産の中型犬で、筋肉質でがっしりした体つき、ダブルコートの被毛、そして自分のテリトリーを大切にする性格が特徴です。
そのため、ベッドは単なる「寝る場所」ではなく、
- 周りを気にせずリラックスできる
- 不安なときに戻ってこられる
- 落ち着いて眠れる「安全基地」
として機能させてあげることがとても大切です。
一方で、メーカー公式サイトや獣医師・トレーナー監修のおすすめ情報は、あくまで「平均的な柴犬像」を前提に作られている一般論です。
ですので、次のようなイメージで捉えると失敗しづらくなります。
- 公式情報:スタート地点(候補をしぼるための地図)
- うちの子の様子:ゴールを決めるための答え
この「公式=正解」ではなく「公式=ヒント」というスタンスを持っておくと、情報に振り回されず、柴犬本人に合ったベッドを冷静に選びやすくなります。
購入前にやっておくと失敗が激減する「3つの準備」
ベッド選びで後悔しがちな原因の多くは、実は買う前の準備不足にあります。まずは次の3つを押さえておきましょう。
柴犬の体格と寝方を「数字」と「写真」で把握する
公式サイトのサイズ表はとても参考になりますが、それだけで判断すると「なんとなくこのサイズでいいか…」となりがちです。
そこで、次の3つを事前にチェックしておきましょう。
- 体長:首の付け根〜しっぽの付け根までをまっすぐ測る
- 体重:直近の体重をメモ(動物病院のカルテや自宅の体重計など)
- 寝方:丸まる/伸びる/壁際が好き/床ペタ寝などを1〜2週間観察する
おすすめなのは、寝ている姿をスマホで撮っておくこと。
ショップに相談するときにも「普段こんな寝方です」と写真を見せられるので、サイズや形の相談がぐっとしやすくなります。
ベッドを置く場所を先に決めて、条件をチェックする
「とりあえず届いてから置き場所を考えよう」とすると、サイズ・形選びで失敗しがちです。
先に置き場所の候補を決めて、次のポイントをチェックしてみてください。
- 直射日光が長時間当たらないか
- エアコン・ヒーターの風が直接当たらないか
- 人の出入りが激しすぎないか(玄関前・廊下の真ん中など)
- コンセントやコード類が近くにないか(いたずら・事故のリスク)
- サークル・クレート・家具とぶつからないか
- フローリングなら滑り止めマットを敷けるスペースがあるか
こちらも、置き場所の写真を撮っておくとイメージしやすくなります。通販でサイズを選ぶときにも、画面と写真を見比べながら確認できます。
予算と「ベッドのタイプ」をざっくり決めておく
あらかじめ「このくらいの価格帯で、こういうタイプを中心に探す」と決めておくと、選択肢が無限に増えて疲れてしまう…ということを防げます。
代表的なベッドタイプと、柴犬との相性イメージは次の通りです。
- ドーナツ型・ラウンド型:縁が高めで包まれる形。丸まって寝るのが好きな子、音や光に敏感な子向け
- スクエア型・マット型:フラットで伸びやすい。のびのび寝る子、夏に床でクールダウンしがちな子向け
- ボルスター付き:三方に縁があり、あご乗せ・寄りかかりが得意。関節への負担を減らしたい子にも◎
- クレート用マット:ケージ・クレート派の子、車移動が多い家庭に便利
「うちはこのタイプから探そう」と決めておくだけでも、検索や比較がかなりラクになります。
公式おすすめはどう使う?「情報収集 → 比較 → 購入前チェック」の3ステップ
ここからは、実際の選び方をステップごとに整理していきます。ポイントは、公式情報を鵜呑みにするのではなく、「うちの子の情報」と組み合わせることです。
STEP1:公式サイト・専門店で候補を集める
まずは信頼できる情報源から、候補となるベッドを3〜5点ほどピックアップします。
- 「柴犬 ベッド 公式 おすすめ」「中型犬 ベッド サイズ」などで検索
- メーカー公式サイト、犬用品専門店、獣医師・トレーナー監修記事を中心にチェック
- サイズ表・素材・お手入れ方法・レビューを一緒に確認し、メモしておく
このとき、レビューの
「柴犬でちょうどよかった」「8kgの中型犬でMサイズがぴったりでした」
といったコメントはとても参考になりますが、個体差も大きいので、あくまで補助情報と考えましょう。
STEP2:サイズ・素材・設置環境をじっくり比較する
候補がある程度しぼれたら、次のポイントで比較します。
- 外寸だけでなく内寸(実際に寝られるスペース)が確認できるか
- 事前に測った体長+10〜20cm程度の余裕があるか
- 丸まる派かのびのび派か、寝方に合った形になっているか
- 季節・住環境に合う素材か(通気性・保温性・厚みなど)
- 洗濯・乾燥の方法が現実的か(自宅の洗濯環境で無理なくできるか)
迷ったら、ショップの問い合わせ窓口に
「柴犬・体重○kg・体長○cm・普段はこんな寝方です」
と写真付きで相談してみるのもおすすめです。
STEP3:購入前に「お金と手間」の条件をきちんと確認
最後に、購入ボタンを押す前に「お金と手間」に関わる部分を確認しましょう。特にオンライン購入では、ここを確認せずに「後からしまった…」となるケースが多いです。
- 替えカバーの有無・価格
- 洗濯頻度を考えたときの現実的な手間
- 返品・交換の条件(使用前のみ可/到着から何日以内など)
- 問い合わせ窓口(電話・メール・チャット)の有無と受付時間
- 定期購入・サブスク型なら、解約条件や最低利用回数
このあたりを、メモ帳アプリなどに一行ずつメモしておくだけでも、後々の安心感がかなり違ってきます。
ライフステージ・性格別に見る「柴犬のベッド選びのコツ」
同じ柴犬でも、年齢や性格によってベッドに求める条件は変わります。ここでは、よくあるパターン別にポイントを整理します。
子犬の柴犬
- まだ体が小さく、成長途中 → 最初から大きすぎるベッドは落ち着かないことも
- トイレトレーニング中で、粗相のリスクが高い
- 噛み癖・いたずらが出やすい時期
この時期は、洗いやすく・多少汚れても割り切れる価格帯のベッドやマットを選びつつ、「ベッド=落ち着ける場所」というイメージを育てていくのがおすすめです。
成犬の柴犬
- 体格がほぼ安定してきて、寝方のクセも決まってくる
- 運動量が多く、筋肉質で関節への負担もそれなりにある
- 来客時など、興奮とリラックスの切り替えが大事な時期
成犬期は、「サイズ・形・素材」のバランスを重視しつつ、
・のびのび寝るタイプなら広めのマット・スクエア型
・警戒心強めで丸まって寝るタイプなら縁高めのドーナツ型
など、その子の性格に合わせて選んであげましょう。
シニアの柴犬
- 関節のこわばり・筋力低下で、立ち上がりにくくなる
- 体温調節が苦手になり、冷えすぎ・暑すぎに弱くなる
- 睡眠時間が長くなり、ベッドで過ごす時間も増える
シニア期は、「段差の少なさ」と「体圧分散」を重視しましょう。
- 出入り口が低く、乗り降りしやすい高さか
- クッションが沈み込みすぎず、関節に負担がかかりにくいか
- 滑り止めがしっかりしていて、起き上がるときにズレないか
関節に不安がある場合は、関節ケア向けのベッド選びもあわせて検討すると安心です。
ありがちな失敗パターンと、具体的な避け方・リカバリー術
失敗1:サイズを「犬種=Mサイズ」で決めてしまう
よくあるのが、「柴犬だから中型犬のMサイズでいいか」と決めてしまうパターンです。
実際には、同じ柴犬でも
- 細身で脚が長いタイプ
- がっしり体型で胴が詰まったタイプ
- 丸まって寝る時間が長いタイプ
- 思い切り伸びて寝るのが好きなタイプ
など、体型も寝方もバラバラです。
避け方のポイント
- 「体長+10〜20cm」の内寸を目安にする
- 縁付きベッドは外寸ではなく内寸を必ずチェック
- クレート・サークルに入れる場合は、その内寸も測る
- 迷ったら、一度大きめと小さめを紙で型取りして床に置いてイメージしてみる
買ってから小さかった場合のリカバリー
- 車移動用・実家へ行くとき用のサブベッドとして活用する
- クレート内用・サークル内用に回す
- フリマアプリや譲渡会などで必要な方へ譲る
失敗2:季節感をあまり考えずに一年中同じベッドを使う
ダブルコートの柴犬は、夏の暑さ・冬の冷えに敏感です。
ふかふかで暖かいベッドを一年中使っていると、
- 夏場に熱がこもり、ハアハアと荒い呼吸になる
- 皮膚トラブルや蒸れの原因になる
といったリスクもあります。
季節ごとのざっくり目安
- 春〜夏:メッシュ・リネン調・接触冷感素材など通気性を重視
- 秋〜冬:ボア・フリース・中綿多めの保温性重視タイプ
- 通年:カバーを替えられるベッドにして、季節でカバーだけ調整
エアコンで部屋を快適にしていても、床に近い場所の体感温度は意外と違うことがあります。
一度しゃがんで床に手を当ててみて、「ここに長時間寝ていても冷えない/暑くないか」を体感してみるのがおすすめです。
失敗3:お手入れをあまり想定せずに、洗濯が大変すぎる
「見た目が可愛くてふかふかだけど、重すぎて洗えない…」
「カバーが外せず、粗相をしてしまっても丸洗いが大変…」
こうしたお悩みをよく耳にします。柴犬は換毛期の抜け毛も多く、ベッドはどうしても汚れがち。お手入れは「必ず発生するもの」と考えて選んだ方が安全です。
購入前に必ずチェックしたいお手入れ条件
- カバーのみ洗えるのか、本体ごと洗えるのか
- 洗濯機・乾燥機の使用可否
- 替えカバーの有無・単品購入の可否と価格
- 天日干し/陰干しの指定と、干す場所が確保できるか
ベッドを長持ちさせる「お手入れルーティン」とチェックの目安
せっかく選んだベッド、できるだけ長く気持ちよく使ってもらいたいですよね。ここでは、現実的に続けやすいケアの目安をまとめます。
- 毎日〜2日に1回:コロコロや粘着ローラーで抜け毛を取る
- 週1回前後:カバーを外して洗濯(換毛期や汚れが多いときは週2回も検討)
- 2〜4週に1回:本体を陰干しして湿気を飛ばす
- シーズンごと:ベッドやカバーのヘタリ具合・ほつれ・破れをチェック
特にマンションなど部屋干し中心のご家庭では、速乾性の高い素材かどうかも重要なポイントになります。乾きにくいとニオイやカビの原因になりやすいので気をつけましょう。
「ベッドを全然使ってくれない…」ときの慣らし方ステップ
せっかく選んだのに、いざ置いてみたら
「床でしか寝ない」「ベッドを避けて通る」
というケースも珍しくありません。
こんなときは、次のステップで少しずつ慣らしていきましょう。
ステップ1:ベッドの「ニオイ」を安心できるものにする
- 新品の布のニオイが強い場合は、一度カバーを洗ってから使う
- 普段使っているブランケットや飼い主さんのTシャツをベッドに敷いてみる
ステップ2:「ここでくつろぐといいことがある」経験を増やす
- ベッドの上でだけ特別なおやつをあげる
- 軽くなでたり、マッサージしてリラックスできる時間にする
- 短時間でいいので、毎日少しずつ「ベッドの上で良い時間」を積み重ねる
ステップ3:置き場所の見直しもセットで行う
- 落ち着ける場所かどうか(人通りが多すぎないか)
- 柴犬が普段よく寝ている「お気に入りスポット」の近くに置いてみる
- クレートの中が好きな子なら、クレート内にマット・ベッドを敷く
無理やりベッドに乗せ続けると、「ここに連れて行かれる=嫌だ」という学習になってしまうこともあります。
「ベッド=自分から行きたくなる場所」というイメージを少しずつ育てていくイメージで進めてみてください。
まとめ:公式おすすめは「地図」、決め手は「うちの柴犬のリアル」
柴犬のベッド選びで大切なのは、
- 体格・寝方・性格・年齢といったうちの子のリアルな情報
- 公式おすすめ・獣医師監修といった信頼できる一般論
この2つを組み合わせて考えることです。
公式情報はとても頼りになりますが、最終的な決め手はあくまで「うちの柴犬がどう感じているか」。
そのためにも、
- 体長・体重・寝方を数字と写真で把握する
- 置き場所・予算・ベッドタイプを先に決めておく
- サイズ・素材・お手入れ・価格・サービス条件を総合的に比較する
- ライフステージや性格に合わせて、ベッドの形や柔らかさを選ぶ
- ベッドの使い方・お手入れ・慣らし方まで含めて「寝床環境」として整える
というステップを、一つずつ丁寧に踏んでいくのがおすすめです。
この記事の内容を、ぜひスマホのメモやチェックリストにして、ベッド選びのときに見返してみてください。
柴犬にとっても、飼い主さんにとっても、「ここが一番落ち着くね」と思えるベッドに出会えますように。



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