柴犬と旅行したい。でも「移動中に吠える」「宿で廊下の音に反応して吠える」「観光地の人混みで警戒して吠える」…こうした悩み、かなり多いです。
結論から言うと、旅行中の吠えはゼロを目指すより「起きにくくする設計」と「起きた瞬間の切り替え」で減らせます。柴犬は警戒心が強く“環境変化に敏感”な犬種なので、対策は「気合」ではなく準備と段取りがすべて。
この記事では、初心者でも迷わないように「なぜ吠えるのか」→「出発前にやること」→「当日の場面別対策」→「よくある失敗回避」→「緊急時の切り替えテンプレ」まで、旅行の流れに沿ってまとめます。
まず全体像をつかむ:柴犬が旅行で吠える“本当の理由”

旅行中の「吠え」は、ほとんどの場合不安・警戒・興奮・要求のどれか(または複合)です。柴犬は特に「知らない音・匂い・人・犬」に反応しやすく、さらに旅先は刺激が一気に増えます。
吠えのタイプを4つに分けると、対策が一気にラクになる
- 警戒吠え:廊下の足音、隣室の物音、ドアの開閉、初対面の人や犬
- 不安吠え:クレート内で落ち着けない、知らない場所で置いていかれる不安
- 興奮吠え:出発直後、到着直後、散歩前、他犬とすれ違う瞬間
- 要求吠え:「出して」「抱っこして」「散歩行こう」「構って」の学習が進んだ状態
ここで大事なのは、「吠えた=悪い子」ではなく「情報が出ている」という見方。吠えは犬のサインです。サインを読み解けば、打ち手が決まります。
旅行で吠えが起きやすい“3つの山”
- 移動中:車・電車・バス・飛行機(揺れ、音、閉塞感、酔い、刺激)
- 宿泊先:チェックイン〜夜間(足音、ドア音、匂いの違い、部屋の反響)
- 観光中:人混み、子どもの声、他犬、突然の音(警戒と興奮が同時に起こる)
最初にやるべき“自己診断”:うちの柴犬はどれ?
出発前に、次の質問に○×をつけてみてください。これだけで対策の優先順位が決まります。
- 家でも来客や物音に吠えやすい(○なら宿の夜対策が最重要)
- クレートに入ると落ち着かず出たがる(○なら移動対策の基礎が必要)
- 散歩前や玄関でテンションが上がりやすい(○なら興奮の制御が鍵)
- 吠えると要求が通った経験が多い(○なら要求吠えのリセットが必要)
そしてもう一つ重要なのが、移動手段のルールと現場の空気。公共交通機関は規約が変わることもあるため、必ず最新の条件を確認しましょう。
| 移動手段 | 犬の扱いの目安 | 吠えに関する注意 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 鉄道(JR/私鉄) | 専用ケースに全身を入れる・サイズ/重量条件 | 継続的な吠えはトラブルになりやすい | ケース規定・料金・混雑時間帯 |
| 飛行機 | 貨物室扱いが多い(航空会社規定) | 吠え以上に健康面(温度・ストレス)が重要 | 季節制限・犬種/体重・手続き |
| 高速バス | 不可〜条件付き(会社/路線による) | 乗客への配慮で非常に厳しめ | 事前問い合わせ必須 |
| 自家用車 | 自由度が高い・休憩を組みやすい | 興奮吠え・車酔い・熱中症に注意 | 固定方法・休憩計画・車内温度 |
※条件は変更される場合があります。必ず各社の最新の公式情報をご確認ください。
準備しておきたいこと:出発前が9割(吠えを“起こしにくくする設計”)

旅行の吠え対策は、当日頑張るより「事前に吠えが起きない構造を作る」方が確実です。準備は「心の準備(慣らし)」と「物の準備(環境を再現する)」の2本立て。
出発前に必ず作る:柴犬の“安心基地”セット
柴犬が落ち着く鍵は「自分の場所」です。旅先でも安心基地を再現できるように、次をセットで用意します。
- クレート(またはキャリー):安心基地の本体
- いつもの匂いの毛布:環境変化の衝撃を減らす
- ロング噛みおやつ:落ち着く行動(カミカミ)に誘導
- マット:「ここで落ち着く」合図に使う
吠えを減らす“基本コマンド”は2つでいい
旅行で効くコマンドはたくさん要りません。以下の2つがあるだけで、切り替えが格段に楽になります。
- マット(Place):その場で落ち着くスイッチ
- おいで(Come):刺激から距離を取るための退避
クレート慣らしは「静かにいられる時間」を伸ばすゲーム
旅行1〜2週間前にやる“音・環境の予行練習”
柴犬は「慣れ」で強くなります。いきなり本番にせず、次を小さく体験させましょう。
- 車に乗って5分→降りて散歩(「車=いいこと」の学習)
- クレートに入って外に出る→すぐ帰宅(短い成功を積む)
- 人が多い場所は“端っこ”から1〜3分だけ(刺激量を管理)
持ち物は「吠えを止める道具」ではなく「吠えを起こさない道具」
- 匂いのある布:安心の再現
- ロング噛みおやつ:チェックインや食事時の静けさ確保
- 飲み水と器:脱水は興奮を増やす
- 排泄セット:我慢→ストレス→吠えの連鎖を断つ
- 目隠し用の布:視界刺激で吠える子に効く
宿・施設の確認は「吠え対策の質問」を最初から入れる
予約前後で、以下を確認できると安心です(メールでもOK)。
- 犬連れ部屋は他の部屋と離れているか(廊下の刺激が減る)
- 角部屋・1階・コテージ等の選択肢があるか(刺激が少ない)
- 吠えが続いた場合の対応(部屋移動/退室要請など)
- 共有スペースの移動ルール(抱っこ/クレート必須など)
| 準備項目 | 目的 | チェックの目安 |
|---|---|---|
| クレート慣らし | 移動・宿で落ち着ける基地を作る | 扉を閉めても5〜10分静か |
| マット&おいで | 吠えそうな時の切り替え | 家で8割成功 |
| 安心基地セット | 環境変化の衝撃を減らす | 匂い布+噛みおやつ |
| 宿の条件確認 | トラブル回避 | 吠え対応・部屋配置 |
| 休憩計画 | ストレス・酔い・疲労を防ぐ | 1〜2時間ごとに停車 |
当日うまくいく流れ:計画〜当日までの3ステップ(迷わない行動設計)
旅行の成功は「その場の判断」を減らすほど上がります。全体を検索→比較・問い合わせ→当日のシミュレーションで固めましょう。
検索:吠えやすい柴犬ほど“静かな選択肢”を先に集める
- 宿の口コミで「壁が薄い」「音が響く」「廊下の足音」をチェック
- 「コテージ」「離れ」「角部屋」「1階」など刺激が少ない構造を優先
- 観光地はピーク時間を避けられるか(朝/夕の散歩時間が狙い目)
比較・問い合わせ:決め手は“犬に慣れているか”
| 判断軸 | 見るポイント | 吠え対策メリット |
|---|---|---|
| 防音性 | 音が響く/壁が薄い口コミ | 警戒吠えが起きにくい |
| 犬向け設備 | 散歩コース・足洗い場・ドッグラン | ストレス発散で吠えが減る |
| 受け入れ姿勢 | 案内文や対応の丁寧さ | 少しの吠えに寛容 |
| 部屋タイプ | 角部屋・離れ・コテージ | 刺激を構造で減らせる |
確定・当日準備:時間軸で“吠えポイント”を先に潰す
- 出発前:軽く散歩→排泄→落ち着いた状態で車/移動へ
- 途中:1〜2時間ごとに休憩(水分・排泄・軽い散歩)
- 到着前:最後の休憩でしっかり散歩(宿での吠えが減りやすい)
- チェックイン後:まず部屋で安心基地(クレート)を設置
場面別:ここが一番効く!旅行中の吠え対策(移動・宿・観光)
移動中の吠え:まず「刺激を減らす」→次に「やることを与える」
- 視界刺激で吠える子:クレートに目隠し布(暗くすると落ち着く子が多い)
- 揺れや音で緊張する子:出発直後は静かな音量・急発進を避ける
- 興奮吠え:出発前の散歩+車内で噛みおやつ(“作業”を与える)
重要なのは、吠えた瞬間に「静かにさせる」より吠える理由の刺激を減らすこと。刺激が残ったまま叱ると、犬はさらに高ぶりやすくなります。
宿での吠え:入室直後の10分が勝負
宿で吠える子は「廊下の足音」「ドア音」「匂いの違い」で警戒が上がります。入室直後は次の順番が効きます。
- まず安心基地(クレート)を設置(匂い布を入れる)
- 犬を部屋中に解放しすぎず、最初は基地周辺で落ち着かせる
- 外の音に反応しそうなら、テレビを小さくつけて“音をマスク”する
- 吠えが出そうな時間(夕方〜夜)は噛みおやつを活用
さらに有効なのが「音がしにくいレイアウト」を作ることです。
- クレートは廊下側の壁から離す(反響を減らす)
- 窓際で外に反応する子は窓が見えない位置へ
- ドア方向に視線が固定されるなら家具や荷物で視線を切る
観光中の吠え:人混みは“正面突破しない”
観光地での吠えは「警戒+興奮」が同時に起きやすいです。コツは距離・角度・時間。
- 距離:吠える前に距離を取る(反応が出る“手前”が勝ち)
- 角度:正面から近づかず、少し斜めに外す(刺激量を減らす)
- 時間:ピークを避け、朝や夕方に回す
人や犬とすれ違う時は、「おいで」→脇に寄せる→短いおやつで「すれ違い=落ち着く練習」に変えると上達が早いです。
吠えた瞬間に効く:その場の“切り替えテンプレ”5つ
旅行では100%吠えを防げない瞬間もあります。そんな時のために、現場で使える切り替えを持っておくと安心です。
刺激から距離を取る(最優先)
吠えの多くは「刺激が近い」から起きます。まずは2〜5歩でいいので距離を取ります。距離が取れないなら、クレートに入れて視界を切ります。
静かな合図で“やること”を与える(マット)
「静かに!」より「ここに行こう(マット)」の方が伝わります。柴犬は指示が明確だと落ち着きやすいです。
噛む行動に誘導(噛みおやつ・おもちゃ)
吠える行動を止めるより、吠えない行動へ置き換えます。噛む行動はストレスを下げやすいので、宿や車内で特に有効です。
飼い主が“静かに”なる(声量と動きが刺激になる)
柴犬は飼い主の緊張を拾います。大声で叱ると興奮が増える子が多いので、声を小さく・動きをゆっくりを徹底します。
吠えが止まった0.5秒を褒める
完璧に静かになってから褒める必要はありません。吠えが止まった瞬間に「いい子」と静かに褒めると、学習が進みます。
よくある失敗の避け方:吠えが悪化する“地雷”を踏まない
旅行の吠えトラブルは「パターン」があります。事前に地雷を知っておけば、ほぼ避けられます。
「家で平気だから」で準備を省く
- クレート未経験で長距離移動 → パニック吠え
- 静かな環境の子が、都会や宿の物音に驚く → 警戒吠え連発
- 宿のルール未確認 → 周囲と気まずい+退室リスク
車移動の計画不足
- 休憩なしで走る → ストレス蓄積→到着後に吠えやすい
- 夏に短時間放置 → 熱中症リスク(非常に危険)
- 夜間・悪天候の強行 → 飼い主の疲労で犬の変化を見落とす
宿で“いきなりフリー”にしてしまう
- チェックイン直後に興奮状態のまま部屋へ → 物音に反応しやすい
- 基地がない → 廊下に意識が向きっぱなし
- 夜更かし → 犬の睡眠不足で翌日さらに吠えやすい
こんなときは無理しない:受診・相談の目安
吠えが「しつけ」ではなく、体調由来で強くなることもあります。次に当てはまる場合は、旅行自体を短くする/中止する判断も含めて検討してください。
- 車に乗ると明らかに気持ち悪そう(よだれ・嘔吐・震え)
- 吠えに加えて呼吸が荒い、ぐったりする
- 極端なパニックで自傷(鼻先を擦りむく等)がある
- 高温環境でパンティングが止まらない
※心配がある場合は、かかりつけの動物病院に相談し、旅行の可否や移動方法を確認してください。
まとめ:吠えをゼロにするより「減らす・切り替える・設計する」
柴犬との旅行で吠えを減らす最大のポイントは、出発前に“吠えが起きにくい構造”を作ることです。クレート慣らしと安心基地セット、そして「マット」「おいで」の2つがあるだけで、旅行の難易度は大きく下がります。
当日は、移動・宿・観光それぞれで「刺激を減らす」→「やることを与える」→「落ち着いた瞬間を褒める」の順番で対応し、吠えが起きても切り替えられる状態を作りましょう。
完璧を目指すより、少しずつ経験を積み、柴犬が「旅先でも安心できる」と学べば、旅行はどんどん楽になります。
最終更新:2025-12-23
FAQ:柴犬との旅行でよくある質問
旅行中に吠えたら、叱ったほうがいい?
基本はおすすめしません。大声で叱ると興奮が増えたり、不安が強まる子がいます。まず刺激から距離を取る→マットなどでやることを与える→静かになった瞬間を褒める、が安全です。
クレートを嫌がる子でも旅行できますか?
できますが、いきなり本番は危険です。扉を開けたまま入れる→1秒閉める→数秒…と成功体験で慣らすのが近道です。最低でも「5〜10分静かにいられる」を作ると、旅行が一気に楽になります。
宿で廊下の足音に吠えるのはどうすれば?
警戒吠えの典型です。クレートを廊下側から離し、視線を切り、匂い布で安心基地を作りましょう。テレビや環境音で音をマスクし、夜は噛みおやつで落ち着く行動に誘導すると効果的です。
観光地の人混みで吠える子はどうしたらいい?
人混みを正面突破しないのがコツです。距離・角度・時間(端を歩く、斜めに外す、ピークを避ける)で刺激量を管理し、「おいで」で退避→短いおやつで“落ち着く練習”に変えましょう。
公共交通機関を使う場合の注意点は?
ケースの条件(サイズ/重量)や持ち込みルールは会社ごとに異なり、変更される場合もあります。必ず各社の最新の公式情報を確認し、混雑時間帯を避けるなどマナー面の配慮も行いましょう。



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