柴犬の冬は「寒さ」だけでなく、「抜け毛」「乾燥」「皮膚トラブル」「運動不足」が同時に来ます。だから対策も、1つだけ頑張るより“環境×ケア×体調チェック”をセットにしたほうが、犬も飼い主もラクです。
この記事では、室内飼いの柴犬を想定して、寒さ対策と抜け毛対策を同時に解決する具体策を、今日から実践できる形でまとめました。最後まで読むと「うちの子に合うライン」が分かり、冬〜換毛期のストレスがぐっと減ります。
まず全体像をつかむ

柴犬は日本原産で、基本的には寒さに強い犬種です。ただし、室内飼いが主流の今は「季節感が薄い生活」になりやすく、体温調節のリズムが崩れがち。さらに柴犬はダブルコート(上毛+下毛)のため、冬〜春・夏〜秋にかけてアンダーコートが大きく入れ替わり、抜け毛が爆発します。
ここで大事なのは、寒さ対策を「厚着」だけで考えないこと。柴犬の冬対策は、ざっくり言うと次の5つの歯車が噛み合って初めてうまくいきます。
- 室温・湿度(冷えと乾燥を同時に管理)
- 寝床の断熱(床冷え・すきま風を遮断)
- 被毛ケア(抜け毛を減らす+皮膚を守る)
- 運動(血行・筋力を落とさない)
- 食事・水分(代謝と皮膚バリアを支える)
そして「寒さ」と「抜け毛」は別問題ではありません。冬に乾燥が進むと、
- 皮膚バリアが弱る → かゆみ・フケ・赤み
- 掻く → 被毛が抜ける
- 抜け毛が増える → さらにブラッシング過多になりがち → 皮膚が荒れる
という負のループに入りやすいです。抜け毛の量が増えたときこそ、乾燥と皮膚を同時に見るのがコツです。
逆に「暑すぎ」のサインも知っておくと失敗が減ります。室温を上げすぎると、柴犬は被毛が厚いぶん逃げ場がなくなり、
- ハアハア(パンティング)が増える
- 床や廊下など冷たい場所で寝たがる
- 水を飲む量が極端に増える
などが出やすいです。つまり理想は、犬が自分で「暖かい場所」「少し涼しい場所」を選べる状態。ここが冬対策の核になります。
まずは1〜2週間、次の3つだけメモしてみてください。これだけで対策の精度が一気に上がります。
- 朝と夜の室温・湿度(ざっくりでOK)
- 柴犬の寝る場所(どこを選ぶか)
- 抜け毛の量(コロコロ回数でもOK)
※本記事は一般的な飼育情報に基づく解説です。咳・嘔吐・下痢・強いかゆみ・脱毛斑・震えが止まらない等がある場合は、寒さや換毛だけと決めつけず、必ず動物病院で相談してください。
準備しておきたいこと

冬と換毛期をラクにするコツは、対策の8割を「準備」で終わらせること。慌てて買い足すほど失敗しやすいので、まずは家にあるもので整えられる順にいきます。
最優先:温湿度の見える化
体感は人間と犬で違います。だからこそ温度計・湿度計は必須。できれば犬の高さ(床から30〜50cm程度)に置き、窓際やエアコン直下は避けます。
- 温度:数字は目安。犬の様子とセットで判断
- 湿度:冬は乾燥しやすいので要チェック
寝床の「床冷え」対策セット
柴犬が寒いと感じる原因は、空気よりも床の冷たさ(伝導)であることが多いです。おすすめは「ベッド+断熱+風よけ」の3点セット。
- ベッド(丸洗いできると最高)
- 床との間に断熱(厚手マット、銀マット、コルクマット等)
- すきま風対策(壁際なら風の当たらない向きに置く)
抜け毛ケアは「道具を増やす」より「役割分担」
柴犬の毛は2種類。だからブラシも役割分担が向いています。
- 表面を整える:ラバーブラシ・獣毛ブラシ
- アンダーコートを抜く:コーム、アンダーコート用ブラシ(やりすぎ注意)
- 毛玉・もつれ:スリッカー(皮膚が弱い子は慎重に)
「どれが正解?」よりも、うちの子の皮膚の強さ・嫌がり度で最適が変わります。買う前に、まずは今ある道具で「嫌がらないやり方」を確立した方が近道です。
乾燥・静電気対策(冬の抜け毛を悪化させない)
冬は静電気で毛が服・ソファ・カーペットに刺さります。犬の皮膚にも刺激になりやすいので、次を用意すると快適です。
- ペット用の保湿ケア(低刺激・無香料寄り)
- 加湿器 or 部屋干しなどの湿度対策
- ベッド・毛布を洗う洗剤は刺激が少ないもの
| 目的 | おすすめ準備 | 失敗しない選び方 |
|---|---|---|
| 寒さ対策 | 温湿度計/断熱マット/風よけ配置 | 「部屋全体を暑く」より「寝床を守る」を優先 |
| 抜け毛対策 | ブラシ役割分担/コロコロ/ペット用ノズル | 短時間を回数で稼ぐ。力で解決しない |
| 皮膚ケア | 保湿/加湿/洗剤の見直し | 香り強めは避ける。赤み・フケがある子は特に |
| 体調維持 | 散歩ルール/室内遊び/水分確保 | 運動ゼロが一番危険。時間と場所で調整 |
準備で最後にやると強いのが「わが家ルール」の仮決めです。たとえば、
- 朝起きたら温湿度チェック→寝床を整える
- 換毛期は毎日5分ブラッシング(長時間はしない)
- 雨の日は室内遊び10分+短時間散歩に切り替え
みたいに、行動をルーティン化すると継続できます。
※暖房器具やケア用品は機種・体質で安全性が異なります。事故防止のため、取扱説明書・安全装置・コード対策は必ず確認してください。
手順とコツ
ここからは「結局なにをどうやるの?」を、迷わない手順に落とします。ポイントは、“犬の快適”と“飼い主の継続”を両立させることです。
ステップ1:犬が移動できる「温度のグラデーション」を作る
理想は、柴犬が自分で体温調節できる環境。具体的には、
- 暖かゾーン:寝床(断熱・風よけ・毛布)
- 中間ゾーン:いつもの居場所
- 涼しいゾーン:廊下や床の一部(ただし冷えすぎ注意)
この3段階を作ると、犬は「暑い/寒い」を自分で調整できます。暖房は部屋全体を上げすぎず、まず寝床から整えるのが失敗しません。
ステップ2:ブラッシングは「短時間・正しい順番」で成果が出る
換毛期におすすめの基本は「表面→内側→仕上げ」です。
- 表面を整える:ラバーブラシ等で軽く全体をなでる(毛の流れに沿う)
- アンダーコートを抜く:コーム等で詰まりやすい部位(首周り・胸・お尻・太もも)を中心に
- 仕上げ:獣毛ブラシ等でツヤ出し、毛を落ち着かせる
コツは「10分やる」より「5分を毎日」。柴犬は我慢強い子も多いですが、実は“我慢しているだけ”になりがちです。嫌がり始める前に終えると、次回がスムーズになります。
ステップ3:乾燥対策は“部屋”と“皮膚”の両方から
抜け毛が増えたときに、実は効くのが乾燥対策です。やることは難しくありません。
- 加湿(加湿器/洗濯物の部屋干し/水を張った器など)
- ベッドや毛布を清潔に(ただし洗剤刺激に注意)
- ブラッシング前後に軽い保湿ケア(低刺激)
「フケが増えた」「かゆがる」「静電気で毛が逆立つ」があるなら、まず乾燥を疑うと近道です。
ステップ4:散歩は“時間”と“内容”を冬仕様にする
寒いから散歩ゼロは、筋力低下→冷えやすい体→関節負担…と逆効果。冬は“短くても質”でOKです。
- 暖かい時間帯(昼前後など)を選ぶ
- いつもの距離が厳しければ、回数を増やして分割
- 室内遊び(引っ張りっこ・知育トイ・探しゲーム)を足す
ステップ5:食事と水分で“内側の暖房”を整える
冬は運動量が落ち、体重が増えやすい一方で、シニアや痩せやすい子はエネルギー不足になりがちです。ここは体型(BCS)を見ながら微調整が基本。
- 触ったときに肋骨がうっすら分かるか(太りすぎ確認)
- 体重の増減を月1でチェック
- 水を飲まない子は器の位置や器の形も見直す
「食欲が落ちた」「急に痩せた」「飲水量が極端に増えた」は、寒さや換毛より別要因の可能性もあるので、早めに相談が安全です。
よくある失敗の避け方
柴犬の寒さ・抜け毛対策は、頑張るほど落とし穴もあります。ここでは「あるある」を、なぜダメか・どう直すかまでセットで整理します。
服を着せっぱなしにする
蒸れ・擦れ・皮膚炎の原因になります。服は「外だけ」「短時間だけ」が基本。帰宅したら脱がせて、脇・首・内ももなどをチェックしましょう。
暖房で乾燥させて抜け毛を悪化させる
暖房の風は皮膚を乾かします。温度だけ上げるのではなく、加湿・風向き・寝床位置でバランスを取るのがコツです。
ブラッシングで“抜け毛ゼロ”を目指す
柴犬は抜けます。ゼロを目指すと強くやりがちで皮膚を傷めます。目標は「毛玉・皮膚トラブル予防」に置くのが正解です。
冬にシャンプーをやりすぎる
皮脂を落としすぎて乾燥・静電気・かゆみが増えることがあります。ニオイが気になる日は、全身ではなく部分洗い/濡れタオルで代替するのも手です。
「寒いから」と運動を極端に減らす
筋力が落ちると冷えやすくなり、関節にも負担。冬は時間を減らしてもゼロにしないを守りましょう。
避けたいNGチェックリスト(当てはまったら今日から修正)
- ヒーターのすぐ前にベッドを置いている(低温やけど・乾燥リスク)
- 服を着せたまま長時間留守番させている
- 冬でも月に何度もシャンプーしている
- 1回で取ろうとして長時間・強いブラッシングをしている
- 散歩が週に数回レベルまで落ちている
- 香りの強い洗剤・柔軟剤が犬の寝具に残っている
さらに重要なのが「病気のサインを換毛・寒さで片付けない」こと。次の症状がある場合は、自己判断をやめて相談が安全です。
- 円形の脱毛、出血、かさぶた、強い赤み
- かゆみで眠れないほど掻く/噛む
- 震えが長時間止まらない
- 元気・食欲が明らかに落ちる
まとめ
柴犬の冬は「寒さ対策」だけを頑張っても、抜け毛・乾燥・皮膚・運動不足が絡んで崩れやすい季節です。うまくいくコツはシンプルで、
- 温度の逃げ場を作り、犬が自分で調整できるようにする
- 寝床の断熱で床冷えと風を遮断する
- 短時間のブラッシングを回数で積む
- 乾燥対策で抜け毛と皮膚トラブルを予防する
- 運動と食事で内側から温まる体を保つ
完璧を目指すほど、飼い主の負担は増えます。まずは「寝床の位置を変える」「ブラッシングを毎日5分にする」「温湿度を記録する」のどれか1つからでOK。小さな改善を積み重ねるほど、冬と換毛期が驚くほどラクになります。
最終更新:2026-01-24
※本記事は一般的な情報に基づいており、すべての柴犬に当てはまるとは限りません。症状がある場合や判断に迷う場合は、必ずかかりつけの動物病院に相談してください。
FAQ
柴犬の寒さ対策と抜け毛対策について、よくある質問を「迷うポイントごと」に整理しました。
- Q. 柴犬に服は必ず必要ですか?
A. 健康な成犬なら必須ではありません。シニア・持病がある・震えが続く・散歩で動きが硬いなどがある子は、薄手で動きやすい服を「補助」として使うのが向いています。着せっぱなしは蒸れや擦れの原因なので、基本は外出時だけがおすすめです。 - Q. 冬の室温は何度が正解ですか?
A. 一律の正解はありません。家の断熱・床材・風の当たり方で体感が変わります。数字よりも、震え/寝場所の選び方/ハアハア/水分量を見て調整し、「暖かい場所」と「少し涼しい場所」の両方を用意するのが失敗しにくいです。 - Q. 換毛期はどれくらい抜けるのが普通ですか?
A. 柴犬は驚くほど抜けます。アンダーコートがごっそり抜けるのは珍しくありません。ただし、赤み・かさぶた・強いかゆみ・円形脱毛がある場合は皮膚病の可能性もあるため、早めに相談しましょう。 - Q. ブラッシングを嫌がるときの対処は?
A. いきなり長時間は逆効果です。1〜2分だけ→褒める&おやつ→終了を繰り返し、「嫌になる前に終える」のがコツ。痛みが出やすいブラシは避け、まずはラバーブラシなど刺激が少ない道具から始めると成功しやすいです。 - Q. 冬のシャンプー頻度は?
A. 皮膚の状態で変わりますが、冬にやりすぎると乾燥しやすいです。ニオイや汚れが気になるときは、全身シャンプーより部分洗い・濡れタオルで代替できることも多いので、無理に回数を増やさないのがおすすめです。 - Q. 抜け毛の掃除が限界です。ラクにする方法は?
A. コツは「発生源を減らす」こと。換毛期は毎日5分のブラッシング+寝具を洗える素材にするだけで、コロコロの回数が激減します。掃除は一気にやるより、朝・夜に各3分みたいに分割すると続きます。
ここまでの内容を押さえつつ、「うちの柴犬の性格・皮膚の強さ・生活リズム」に合わせて微調整していけば、冬と換毛期は確実にラクになります。



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